Vol.76 物価上昇と資産運用
今回は、物価上昇と資産運用についてみていきたいと思います。
そもそも、モノやサービスの値段は、需要と供給のバランスで決まっていくものです。何らかの要因で、需要と供給のバランスが崩れると、モノの値段はどちらかの方向に変動します。そして、この変動が、さまざまなモノやサービスに波及していくと、“物価が変動”したとみることができます。
さらに、物価が継続して上昇してしまう状態が、インフレーション、いわゆるインフレです。もちろん、中央銀行である日本銀行が、インフレを起こさないように、通貨価値の安定を図ることで物価を安定させ、持続的な成長ができるよう常に監視しています。よって、日本におけるインフレリスクが高いかといえば、現状においてはむしろアメリカの方が懸念すべきことでしょう。
ただ、日本には、自給率がきわめて低いという弱点があります。食料自給率は先進国中最低です。ひとつの歯車が狂うと、連鎖的な変動から物価上昇につながる可能性は否定できないと思います。
そんな大波に立ち向かっていくことになるかもしれない日本。
皆さんのポートフォリオは万全ですか?
デフレと違って、突然やってくるのが、物価上昇(→インフレ?)の厄介なところ。このあたりで、株式投資中心というスタンスは変わらないにしても、これらの動きが進行してきても、慌てない、ポートフォリオの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
物価上昇(→インフレ?)に対応する具体的な金融商品としては、株式・外貨・不動産・金などが挙げられます。中・長期投資中心の株式投資は、長い目でみても、物価上昇についていける可能性の高い金融商品といえます。銘柄で迷うようなら、ETFも選択肢の1つだと思います。一方、外貨は、円安にからむ物価上昇のとき威力を発揮します。株式同様、買い時は重要ですが、口座開設・目論見書の交付など好水準が来たとき、動ける体制を作っておくと良いかもしれません。不動産は急激な変動にも強い反面、まとまった資金が必要になってきます。REITを活用するなど、総資産のバランスも考慮して自分に合った比率を検討する必要がありそうです。金は、有事の金といわれるように、世界が認める実物資産です。ただ、金は保有していても金利を生まないので、キャピタルゲイン+安心感を期待することになります。また、とかく有事は目先のピーク圏であることが多いので買い時は慎重に。
人間、変化が起きたとき、事前に、意識していたのとそうでないのではかなり影響が違ってくるもの。現在、先送りになっている消費税率引き上げなどとともに、物価上昇の行方には注意が必要です。
1.物価上昇の兆候は、自然に起こりそうな変化!
2.さまざまな要因が迫る、物価上昇の行方には注意が必要!
作者: 深野 康彦
出版社/メーカー:講談社
価格: ¥ 680(税込)
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著者は、この道19年で、私の師匠でもあるベテランFP。今日から始められる“貯蓄力”UPの秘訣が満載です。お金とのスマートな付き合い方を、身につけたい人にオススメ!!
野尻美江子
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