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Vol.75 物価上昇と株式投資

 株式投資で大切なのは、これから自然に起こりそうな変化を自分なりの視点で見極めることです。そこで、今回は、物価上昇の兆候から、自然に起こりそうな変化を考えていきたいと思います。

■日本に起こっている主な変化

 このブログをご覧になっている投資家の皆さんなら、その変化に気がついている人も多いと思いますが、今、世界的な連鎖による食品の値上げや雇用環境の変化など、リスク商品を運用に取り入れているかどうかに関わらず、先行きを考えておきたい変化が迫っています

■バイオエタノール需要の高まりによる変化

 今後、幅広い食品の値上げが懸念されるこの問題の発端は、アメリカのエネルギー政策にあります。簡単に流れを確認しておくと、「アメリカ政府が今後10年間でバイオエタノールの生産量を7倍に増やす」という目標を掲げたことで、世界的にバイオエタノール需要の高まりに期待する動きが起きています。

 バイオエタノールの原料となるトウモロコシやサトウキビなどの市場価格が急騰したことで、これまで大豆や穀物などを作っていた農家が、トウモロコシの需要増を期待して、大豆や穀物を縮小、トウモロコシを拡大する転作を相次いで行っていることで、大豆や穀物も品薄→大豆・飼料価格が急騰するなど、その影響は、食用油・マヨネーズ、オレンジジュース、食肉・卵・乳製品、大豆製品などに現れてきています。

 皆さんは、このところ納豆のパッケージを見て気がつくことがありませんか?

 納豆の表示基準が強化された影響もありますが、少し前まで、誇らしげに“国内産大豆使用”と書かれていた納豆が主流だったのに、今は多くのメーカーが現地に契約農家を持つことなどで品質を保つ努力をしながら、アメリカ・カナダ産大豆にシフトしている商品が目立ちます。そのためか、コラーゲン入り納豆など新商品が登場するのかもしれません。
 
 ただ、豆腐・醤油など日本の食文化を象徴する幅広い食品に欠かせない大豆だけに、その多くを輸入に頼っている現実を考えると、単に企業努力だけではカバーしきれない事態も考えられ、必需である食品発の物価上昇が懸念されます

■やっときた雇用環境の変化

 私が気になっているもうひとつの変化が雇用環境における変化です。

 例えば、皆さんが、今日、ランチでいったお店に「求人広告」の張り紙はありませんでしたか?それも、時給の欄だけ何度も書き直したヨレヨレのものが・・・。

 今、飲食業界やアパレルなど、アルバイトやパート雇用の人材を主な現場の戦力として、利益率を上げてきた業態に見直しが迫られています。単純に、今の条件では、人が集まらないのです。なかには、希望する契約社員を正社員として再雇用したアパレルメーカーもありました。当たり前のことですが、突き詰めれば、企業の財産は人です!経験豊富で優秀な人材に逃げられないためには、それなりの対価を支払わなければなりません。ここに、雇用環境発の物価上昇の兆候があると思うのです。

 皆さんは、この変化からどんな展開を予想しますか?恩恵を受けそうな業種、買ってはいけない業種など浮かんできたでしょうか。展開を見守りながら銘柄選定に役立てたいですね。次回は、物価上昇と資産運用についてみていきたいと思います。

野尻美江子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ


2007-07-03 14:32  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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