Vol.74 株式投資につながる情報ツール
今回は、VOL.73でみてきた、“情報を見極めること”を大切にしながら、株式投資の銘柄選びにつながる情報ツールについてみていきたいと思います。
このブログをご覧の皆さんは、とっくに実感していることですが、個人にとっての“情報ツール”を考えるうえで、「ネットの存在」「検索エンジンの持つ影響力」は確実に大きくなっていると思います。今日、1日を振り返っても、テレビや新聞をみた時間よりネットをチェックしていた時間の方が長かった、という人も多いのではないでしょうか。
株式投資においても、ネットは、取引だけに限らず、欠かすことのできない情報ツールです。
銘柄選びの段階にもよりますが、気になる銘柄を深く知るためには、その会社のホームページを隅から隅まで読んでいき、その会社と業界に対する理解を深めていきます。
例えば、沿革を知ってから株主構成をみると、持ち合いとはいかないまでも、会社や特定の人物との関係の深さが理解できます。また、その会社の強みを知るうえで、業界特有の用語やライバル会社の台頭などを調べる必要性を感じたときには、いくつかの検索エンジンで調べていくと、いもづる式に、情報はザクザク出てきます。また、創業社長の場合には、社長の個人名を調べてみるといろいろな発見につながります。
ただ、総じて問題なのが、情報の正確さです。取引においても、ネット証券が対面に比べて自分自身で判断し行動することが多いように、糸をたぐり寄せる感覚で、要るもの要らないものを選択しながら、自身で情報を整理していく努力が必要です。
そのような過程で、それぞれの強みを持つ、既存の媒体を活用していきます。一定の尺度で整理された新聞を見比べたりしながら複数チェックすることで見えてくる視点。ニュースに限らず、特集番組やCMなどテレビがもたらす情報の数々、そして、旬なネタを掘り下げてくれるマネー誌や世の中の関心事を他の媒体とは違う角度から伝える一般誌など。
消化不良を起こしそうだけれど、知っているものとして市場が動いているのなら、自分が知らずに市場に参加しているのは怖いこと、という一定の認識は必要なのかもしれません。しかしながら、情報には限りがないので、以前にも触れたように、F1カーと一般車が同じ場所で競っている株式市場において、精度の高い情報の入手のしやすさだけを考えれば、担当チームを組んで仕事として取り組む、プロには、敵わないと言わざるを得ません。
でも、個人の運用は、必ずしも“最大効率を追求する”必要はないはずです。自分の着眼点が徐々に市場に評価されていく過程を楽しみながら、じっくり成長を見守るスタンスで臨む軸足のような銘柄があっても良いのではないでしょうか。
情報ツールとしては、他にも、四季報や会社情報、日銀が年2回発表する『展望レポート』などなど、他のツールに比べて鮮度は劣るけれど、発行・発表元の信頼度から、直接、マーケットに影響を与えるものもあります。
リスク商品を使いこなすことは、常に自分の視点を持ちながら、新旧問わず、さまざまな情報を、自分の中に蓄積していくことなのかもしれません。そうすることで、ある時、情報と情報が結びつき、四季報を見ていても、新聞を読んでいても、表面には書かれていないことに気がつく感覚が生まれてくるのだと私は思っています。ただ、銘柄選びには、さまざまな手法があるので、自分に合ったものを、日々、精度を高める気持ちを持って、確立していくことになるのでしょう。だから、株価が上がるというのは結果であって、株式投資とは、銘柄の中身を精査していく、この過程のことを指していると考えるのが正しいのかもしれませんね。
1.Myポートフォリオは、100%、自分自身の判断で作っていこう!
2.リスク商品を使いこなすには、常に自分の視点を持ちながら、
情報を蓄積していくことが必要!
作者: 永田 宏
出版社/メーカー:光文社
価格: ¥ 1,000 (税込)
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野尻美江子
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