SSブログ

Vol.72 株の“出遅れ銘柄”はお得か?

 今回は、“出遅れ銘柄”に着目して、出遅れ銘柄=お得なのかについて、考えていきたいと思います。

■主役銘柄 VS 2番手・3番手銘柄

 出遅れ銘柄がクローズアップされる例として、ある銘柄が、何らかの好材料をきっかけに急上昇すると、同業他社のなかには、同じような恩恵を受ける可能性がありながら、まだ株価がそのことを織り込んでいないために突如として、注目される銘柄があります。いわゆる、2番手、3番手銘柄です。

 現状において、1番手で上昇した主役銘柄は、すでに1~2割など上昇しているため、この段階から参戦するのはなんだか悔しい気もします。気になっていた銘柄ほど悔しさも倍増です。そんなとき、主役銘柄に比べて、株価があまり動いていない関連銘柄が多くの投資家の心理的な買いやすさも手伝って、注目されることがあります。

 もちろん、好材料が業界に与える影響度や注目テーマが各企業の業績に与える割合などによっては、連れ立って水準訂正するくらいの上昇をみせる可能性も否定はできませんが、概して、最も恩恵を受けるのはやはり主役銘柄であることが多いと思います。

 つまり、値上がり率が大きければ、たとえ1~2割上昇していた時点であっても、連鎖的に引きずられるようにして動く、2番手、3番手銘柄よりも、自分で上昇していくパワーを持っている主役銘柄のほうが、有望銘柄であることが多く、結果としてお得な銘柄であることが多いと思うのです。投資している安心感も違います。

 逆に、2番手、3番手には、主役にはなれない何らかの理由があるはずで、人気が薄れてくると、我に返ったように、「この銘柄を保有する価値があるのか」と、自問自答してしまう経験をした方もいるのではないでしょうか。例えば、業界全体に波及するような好材料があっても、その会社全体の業績でみると、与える影響は軽微であることが周知されてくると、勢いはすぐ終息して、以前の日陰銘柄に戻ってしまうといったケースです。

 材料にも寄りますが、市場は、時として、不思議な動きを見せることもあります。造船関連株が買われたときに、一緒になって、現在は造船を本体では製造していない日立造船までもが連想で買われてしまうこともあるわけです。(ちなみに、日立造船は、愛称社名をhitzとしています)
 
 結論としては、VOL.71でお話した「(投資の)判断基準を、価格(株価)ではなく、会社の中身に置くことによって、年初来高値を更新していても、上場来高値を更新していても、買える銘柄は存在する」という考え方に共通することですが、“中身のある有望銘柄は強い”ということです。

 そのなかで、買い時の工夫としては、今後も上昇が期待できる銘柄だけれど、どうしても、上場来高値で買う気持ちになれない場合は、市場に年に数回くる急落局面を待ちましょう。下げ渋りながらも、相場の流れに耐え切れず下げた押し目をすかさず拾うことで、納得しながら上値を追いかけていける可能性が高まるはずです。

今回のポイント

1.年初来高、上場来高値更新でも、買える銘柄は存在する!
2.中身のある有望銘柄は、やっぱり“強い”!


知っておきたい一冊
手にとるように株・証券用語がわかる本―市場の動きを用語で解読!手にとるように株・証券用語がわかる本―市場の動きを用語で解読!

作者: 株式フォーラム21, ちばぎんアセットマネジメント
出版社/メーカー:かんき出版

誰が預けても同じ結果になる預貯金と違って、さまざまな要素をつなぎ合わせ、投資判断を行っていくリスク商品の活用には、“自ら調べる作業”が欠かせません。そんな時、役立つ少しワイドな用語集です。正統派株式スキルをUPしたい人に。

 野尻美江子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ

 


2007-06-12 12:04  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。