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Vol.64 あなたにとっての財産三分法とは?

 今回は、資金運用を取り巻く環境の変化を踏まえながら、あなたにとって最適な資産配分について考えていきたいと思います。

■変化から必要とされる現代版・財産三分法

 前回、資産運用のバランスは、杓子定規にだけ考える必要はないのでは・・というお話をしてきました。なぜ、杓子定規に行う必要がないのかといえば、資金運用を取り巻く環境が数年前と大きく異なっていること、そして、私たちが利用できる金融商品が多様化していることが挙げられると思います。

 まず、資金運用を取り巻く環境からみていきましょう。皆さんもご存じのように、日本銀行は昨年の7月、今年の2月と2回利上げを行いました。昨年3月の量的緩和を境に、日本銀行は金融政策をそれまでの緩和政策から、金利の引き締め政策へ180度転換したわけです。過去を検証すると、金利の引き締め(金利の上昇)は、短期間、長くとも2年弱程度で利上げを何回も行い、金利はピークを打つのが一般的でした。また、株式市場は当初2~3回までの金利引上げは、株価に大きな影響を与えることは少なく、利上げが4回目、5回目になると、利上げがボディーブローのように効いてきて、株価を下げる要因のひとつになってきたとみることができます。ところが、今回の利上げは過去の利上げペースに比べると非常に遅く、しかも次回の利上げは年内に1回あるかどうかというのが大方の予想で、実際、長期金利に至っては利上げにほとんど反応しないというありさまです。また、日本は利上げが始まったばかりですが、米国は17回、ユーロ圏も7回利上げ(平成19年3月現在)を行っているなか、それぞれの株式市場は過去最高値に近い水準にあり、過去の金利のピーク圏のような大きな調整はみられていません。また、世界的な金余りを背景に、長期金利は大きく上がっていない状況も見られ、実際に米国やユーロ圏では、株式市場から預貯金や債券などへの大きな資金シフトは今のところ起こっていないのです。

 また、金融商品だって、これまでみてきたように、投資信託を活用することで、BRICs諸国の株式や新興国の債券などに、小額から投資することが可能になっています。あるいは、先物やオプションを利用したり、FXや株式の信用取引などを活用することにより、リスク許容度によっては、少ない資金での効率的な運用も可能になっているのです。

 やはり、誰にとっても、旧来からの財産三分法が本当にいいのか?という疑問がわいてきます。確かに、財産三分法はバランスの良い資産配分ですが、海外の資産に投資することが難しかったり、機関投資家のような先物・オプションなどデリバティブを活用することができなかった、ある意味規制下において最適な資産配分だったと考えるべきでしょう。現代の私たちは、さまざまな投資手法を取ることが可能であり、資金運用を取り巻く環境も一層、グローバルに変化していることを認識する必要があるはずです。ということは、これまでとは違った財産三分法、いえいえ財産7分法とか、8分法………を考えなければならない、そうなると、時間的制約もあり専門家に任せる機会も増えるのかもしれません。  

 闇雲に複数の金融商品に分ければ良いということではなく、皆さんが自分のこと、金融商品のこと、資産運用を取り巻く環境の変化、そして何よりも、自分のイメージする市況環境の動向などを熟慮したうえで、現在の自分にとって、最適な資産配分を考えて頂きたいと思うのです。リスク管理はしっかり行いながら、必ずしも過去の常識に捉われず、運用に楽しみをプラスしながら、自分のお金と向き合うことを目指してみてはいかがでしょうか。

今回のポイント

1.現代版・財産三分法は、資金運用を取り巻く環境の変化から必要とされている!
2.現代版・財産三分法の確立には、市況環境を見極めが必要不可欠!


知っておきたい一冊
日本の選択日本の選択

作者: ビル・エモット, ピーター・タスカ
出版社/メーカー:講談社インターナショナル
価格: ¥1,680 (税込)

生きていくうえで“選択”は付きものですが、国にとってもその時々の“選択”はのちのち重要な意味を持ちます。国の価値を見極めることは、資金運用においても重要な要素です。そういった視点からオススメするこの本には、日本のグローバリゼーションの必要性とともに、日本には良くなる素質があることが示されています。日本のことを、今、真剣に考えたい人に。

 野尻美江子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ

 


2007-04-17 16:33  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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