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マネー
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Vol.87 比較チャートを投信でも活用しよう

 今回は、比較チャートを、ポートフォリオ全体のメンテナンスに活用していきたいと思います。

■あなたVSファンドマネージャー?!

 前回は、比較チャートを利用して、個別銘柄と個別銘柄で比較することをみてきました。今回は、投資信託との比較もできる、比較チャートの特徴をみていきたいと思います。

 真っ先にチェックしたいのが、保有する投資信託の“いどころ”でしょう。

 早速、サイト内のコード検索機能などで保有する投資信託のコードを調べて、日経平均株価や保有銘柄と比較してみましょう。ポートフォリオに対して、どれが健闘し、どれが足を引っ張っているのかが一目でわかります。

 これはすごくシビアなもので、例えば、保有する投資信託が日本株ファンドであって、保有期間が変わらない個別銘柄があったとします。もし、あなたが調べ抜いて投資した個別銘柄が日本株ファンドの成績を継続的に上回っていれば、少なくともその段階までは、あなたがファンドマネージャーに勝ったことになります。

 ダイエットなどでも、途中段階の成果がみえてくると励みになるように、運用は人生とともに続くものですが、一定の運用環境の中で、自分がどの程度の成果を挙げることができたのかを確認することは自信にもなりますし、今後の対策にもなるので、半期に一度でも確認してみると良いでしょう。

 次に活用したいのが、投資信託と投資信託での比較です。

 精度を高めるためには、投資対象が限りなく近いファンド同士で比較することが大切です。よく「投資信託は本数が多すぎて選べない」という声を聞きますが、投資したいセクターが決まったら、純資産残高の多いものからでも比較チャートにかけてみると、新しい判断材料がみつかります

 日本株ファンド以外でも、債券ファンドや中国・インドなどの新興国に投資する主要な海外株式ファンドとの比較も可能です。ただし、現時点でみる比較結果の上・下にはリスクの違いなどが加味されていません。これは、個別銘柄との比較でも言えることですが、突然急騰した個別銘柄が、数十銘柄に分散投資している投資信託に一瞬勝っても、運用として勝ったとはいえないわけです。(VOL.661参照)比較チャートを活用する際には、現在の“いどころ”とともに、継続的なこれまでの推移を必ずチャックするようにしましょう。運用期間が長いファンドほど信頼度は高まります。

 定期的に比較チャートを活用することで、運用成果が実感できたり、ポートフォリオ全体のメンテナンスに役立てることができると思います。

今回のポイント

1.一定期間でみて個別銘柄には、市場平均を上回る活躍をしてもらわないと困るものだと認識しよう!
2.継続性やリスクの違いを踏まえて比較チャートを使えば、運用成果が実感できたり、ポートフォリオ全体のメンテナンスに役立つ!

 ここで、このブログを応援して下さった皆様にご報告があります。

 この度のリニューアルに伴い、この形式での連載は、今回のVOL87をもって終了することになりました。

 ただし、市場と接している限り、“運用のエッセンス”は日々生まれるものです。まだまだ、一緒に考えていきたいテーマもたくさんあります。そして、何よりも、運用とは“人生に与えられた平等のチャンス”なので、ライフイベント(仕事・転職・出産など)との折り合いをつけながら、是非続けて頂きたいと思います。最後になりましたが、2年に及びこのブログが続いたのも、アクセスしてくれた皆さんのおかげです!!本当にありがとうございました。テーマにも寄りますが、リニューアル後も参加させて頂く予定ですし、今後もわかりやすさを大切に運用の素晴らしさを発信していきますので、引き続き応援してくださいませ。またどこかでお会いできることを楽しみにしています。

ファイナンシャルプランナー  野尻美江子

知っておきたい一冊
トクする投資信託はコレだ! (エスカルゴムック 235)トクする投資信託はコレだ!

作者: 鈴木 雅光(JOYnt)
出版社/メーカー:日本実業出版社
価格: ¥ 1,470 (税込)

投資信託は売れているものの、すぐに成果の一端がみえる、毎月分配型やバランス型が主流。一方で、現状のパフォーマンスに惹かれ、そのリスクを十分理解しないまま、新興国株式ファンドに資金が流れる現象も、のちのち投信離れを誘発しかねない問題点といえます。そんな中、ブームに踊らされることなく、自分にとって役立つ投資信託をまっとうに考えた1冊がコレ。投資信託を末永く活用していきたい人にオススメ!
マネー
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Vol.86 ライバルは日経平均株価!!

 相場にはさまざまな局面があります。新興国の株式が好調な時、日本の株式が好調な時、海外債券への投資が有効な時、REIT市場が最もリターンをもたらす時など、運用成績を振り返ったとき、その年その年で最も活躍してくれた商品は異なることが多いと思います。だからこそ、VOL.63などでみてきたように、私たちは投資先を分散することで、きまぐれな相場とうまく付き合っていこうとしています。でも、その配分の見直しや銘柄の入れ替えは何を基準にしていますか?今回は、ポートフォリオにおける個別銘柄の役割を考えながら、銘柄入れ替えの目安を探っていきたいと思います。

■アクティブなら日経平均株価・TOPIXに勝ちたい!

 皆さんは、実際に投資する個別銘柄を選定するのにどれくらいの時間をかけていますか? 例えば、何らかの情報を手掛かりに、今後の成長性はかなり期待できる銘柄が見つかったとしても、その時の株価水準が割高では、実際に投資に踏み切ることは難しいわけで、「これは有望!」という銘柄と「今が仕込み時!」というタイミングが重なってはじめて、実際に投資に踏み切ることができるわけです。

 つまり、候補に挙がった銘柄を日頃からリサーチしておく努力が必要になってきます。どう考えても、相場が急落したのを見計らって、日経平均株価に連動するETFなどを買う方がラクですよね。

 それでも、個別銘柄にこだわるのは、1単元の投資でも場合によっては資産を築ける可能性を秘めるほどの変動幅(ボラティリティー)を個別銘柄が持っているから。

 手間は掛かるけれど、選定がうまくいけば、十分期待に応えてくれる個性を“個別銘柄”という金融商品が持っているからです。

 そうなると、相場が変動しながらも一定期間においてみれば、個別銘柄には日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの市場平均を上回る活躍をしてもらわないと困ります。

 保有銘柄が市場平均を示す株価指数と比べて好調なのか不調なのかを、「比較チャート」を利用して確認してみましょう。比較チャートとは、保有銘柄のチャートとともに株価指数や他の銘柄の値動きなどを同時に表示できる便利なチャートです。株式のサイトなどで誰でも利用できます。

 主な活用の仕方としては、

・保有銘柄や投資候補の銘柄と日経平均株価・TOPIXを比較してみる
投資期間の長い保有銘柄が指数を上回っていれば、現状として個別銘柄への投資が成功していることになります。反対に、長期保有銘柄が指数をずっと下回っている場合は、これまでのところは指数に勝てていない現実を受けとめ、銘柄入れ替えの際の判断材料の1つにしていきます。一方、投資候補の銘柄が指数より上にある場合には、指数以上の水準にある銘柄であることを意識した投資判断が求められます。反対に、投資候補の銘柄が指数より下に大きく乖離している場合は、業績や成長性に問題がないかしっかり確認しましょう。新興企業銘柄などでは業績好調でも人気の希薄化などで、現状の株価水準は大きく下に乖離していることも多いと思います。

・保有銘柄や投資候補の銘柄と同業他社を比較してみる
同業他社と比較して株価の推移をみることで、例えば、業界に与えた株価材料の反応の速さや影響度などを知ることができます。もちろん、2社の比較チャートに株価指数を載せることも可能です。

・保有銘柄同士を比較してみる
現状において、どちらの銘柄が収益に貢献しているのかがはっきりわかります。投資期間を加味したうえで活用してみましょう。

 ただし、株式投資で大切なのは現状ではなく未来。現状の株価の位置を参考にしながら、今後の乖離を見極めていくことがポイントです。市場平均を上へ上へと乖離していく“個別銘柄”を探していきましょう。たまに、比較チャートをチャックすると、銘柄に対して新たな視点を持つことができるので活用してみましょう。次回は、さらに比較チャートを活用して、ポートフォリオ全体のメンテナンスに役立てていきたいと思います。

知っておきたい一冊
金持ちいじめは国を滅ぼす (講談社+α新書)金持ちいじめは国を滅ぼす

作者: 三原 淳雄
出版社/メーカー:講談社
価格: ¥ 840(税込)

きっと、いつの時代にもあることなのでしょうが、時代とは変化するものです。大切なのはその変化に気づき、それを受け入れ、うまく利用していくことなのでしょう。この本には、大きな変化(大変)の渦中にあるものの、いい国日本に生まれそこに暮らす私たちが、ひとりひとりのスタンスで今行動をおこすことの必要性が述べられています。「出る杭は打たれる」ではなく、「とことん出る杭は打たれない」といった発想の転換が求められているように感じました。

 野尻美江子

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Vol.85 自分で作る“再生ファンド”とは?

 今回は、My再生ファンドを選ぶポイントをみていきたいと思います。

■なぜ低迷しているのか?

 再生ファンドを選択するにあたり、最初に確認しなければならないのが、現在、株価が低迷しているその理由です。

 一口に経営不振といっても、ビジネスモデルそのものが現代にあってはいない構造的なケースから、新事業などのつまづきで現状として下方修正や赤字転落などに陥っているケースもあります。後者の場合には、事業規模からみて挽回できる程度の損失であれば、主力事業の収益性に期待することもできるでしょう。

 一方、事件・事故など社会的信用を失墜させるトラブルを起こした企業の場合には、上場廃止リスクが高まるので、一定期間状況を静観する冷静さが求められます。株式投資にとって、流動性が著しく劣る上場廃止は極力避けたいものだからです。

 ただし、変化率を期待する再生期待銘柄にとって、その変化がより期待できるのは一時的かもしれない業績低迷に陥った企業よりも、信用失墜で大きく売り込まれている企業でしょう。(ただ、信用が失墜した企業が許せない場合は、もちろん投資するべきではありません。)

■再生銘柄の着眼点は

 再生銘柄のリサーチは、現在さまざまな問題を抱えている企業ばかりなので、どうしても気が滅入るものです。株価が売り込まれている銘柄をやみくもに調べるのはそれこそツライので、まずは以下のような視点に注目してみてください。

○ M&Aの可能性を軸に銘柄を選択!
 株価が低迷していれば、当然、時価総額が下がるのでM&AやMBOなどの可能性も出てきます。特に、全国に広がる店舗網を有していたり、1つあるいは2つでも世界で通用する技術を持っている企業、あるいは、広大な土地や高性能な工場設備、利益剰余金が豊富な企業などは注目です。投資的側面以外にも、一から土台を築くよりもはるかに効率が良いので、時価総額次第では、大いに魅力的だといえるでしょう。

○ あえて各セクターで1番株価の安い銘柄に注目してみる!
 セクターで1番株価の安い銘柄をそのまま買うのではなく、あくまでスクリーニングの対象に加えてみるという話です。債務超過など再生が難しい事態に陥っている企業は除外するなどの選別が必要です。ただ、映画や本でも注目されずに埋もれていく作品はたくさんあるように、銘柄も何らかのきっかけがないと、詳しい業績やその企業の実力に気がつく機会は意外と少ないもの。「確かに問題はあるけど、今の株価水準は安すぎる」という銘柄を発見していきます。1番安いというのはあくまできっかけなので、有望なセクターがあれば、2番目・3番目と切り上げていくことも可能です。

 再生銘柄が見直されるのは、M&AやMBOなどの発表や好材料が伝えられたケースとともに、相場環境が連日のように好調で、手堅い銘柄は総じて株価が割高にある局面に来たときです。あえて多くの人が見向きもしない銘柄たちに注目して、その中から再生できる要素のある銘柄を複数組み合わせる、My再生ファンドという戦略もあるのです。

今回のポイント

1.多くの人が見向きもしない再生銘柄は、株式市場に転がる原石のようなもの!
2.My再生ファンドで、リスク分散を図りながら再生する時を待とう!

 野尻美江子

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Vol.84 株式市場に転がる原石とは?!

 VOL.83では、老舗大型銘柄に比べ、株価が乱高下することの多い新興企業の銘柄に対し、振り分ける資金を事前に決めたうえで銘柄を分散し、“新興企業の銘柄パック”として保有する発想をみてきました。

 この発想は、リスクが高い(予想される値動きの幅が大きい)ものに投資する手段として有効であることが多く、新興企業以外の投資対象にも活用することができます。

 そこで今回は、リスクが高い投資対象と考えられる、何らかの懸念材料があって株価が低迷している銘柄、つまり、再生が期待できる銘柄についてみていきたいと思います。

■再生が期待できる銘柄の底力

 株式市場で大きなキャピタルゲインを得る主な手法として、

 多くの人が先行き有望だと期待する銘柄を時間をかけて保有し続ける方法と、
 多くの人が見向きもしない銘柄を割安な局面でこっそり仕込んでおく方法

 があります。
 
 どちらも、一定の時間が必要なことに変わりありませんが、投資に対する考え方は大きく異なります。やはり理解しやすいのは、有望銘柄への投資でしょう。景気回復とともに素直な上昇が期待できそうです。有望銘柄といっても市場にはさまざまな局面がありますが、心理的には比較的やさしい値動きが期待できそうです。では、後者の、多くの人が見向きもしない銘柄に投資する人は何を期待しているのでしょうか。

 それは変化率です。

 現在、その銘柄が抱える何らかの懸念材料が改善・解消に向うときを静かに待っているのです。

 例えば、ステンレス大手の日本冶金工業(5480)は、2002年11月に12円という屈辱的な株価をつけています。その後、エネルギー向けなど海外を中心とした旺盛な需要により業績は大幅に改善し、2007年6月には1,713円という高値(*但し、2003年2月に1株を→0.5株に減資)をつけてきています。(2007年8月20日現在)他にも、さわかみファンドが安値で保有していることで有名な住友金属工業(5405)など、鉄鋼・非鉄などのセクターを中心に、当時2桁の株価から復活した銘柄は存在しています。

 でも、問題はどちらの手法も実行することがとても難しいのです。一見簡単そうにみえる有望銘柄への投資でも、実際に長期で持ち続けることは容易ではありません。(VOL.61参照)

 “銘柄調べ”と“忍耐”が必要な点は再生銘柄も同じですが、再生銘柄にはさらに相場との連動性の低さや個別銘柄への投資で最も避けたい破綻リスクが付きまといます。

 だからこそ、“新興企業の銘柄パック”のように、再生が期待できる銘柄をパックで買ってみてはどうでしょうか。名づけて“My再生ファンド”。次回は、My再生ファンドを選んでいくポイントをみていきたいと思います。

知っておきたい一冊
投資家は今夜も甘い夢を見る―東京マーケットの病理学投資家は今夜も甘い夢を見る―東京マーケットの病理学

作者: 花堂 靖仁, 堀岡 治男
出版社/メーカー:集英社インターナショナル
価格: ¥ 1,575 (税込)

本文でみてきたように、新興企業の銘柄の中には、5年・10年先時代をリードする企業が存在する可能性があります。ただし、不正会計問題や株主利益を損なうエクイティファイナンスなど投資に値しないどころか資本市場の信頼を揺るがす事態が起きています。この本に書かれている、新興“市場”の脆さをしっかり理解したうえで、中身のある新興“企業”の銘柄だけを精査することの重要性が一層伝わると思います。

 野尻美江子

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Vol.83 新興企業の銘柄との付き合いかた

 前回、成長過程にある新興企業の経営判断は、“良くも悪くも手さぐり”であることをみてきました。今回は、そんな新興企業の銘柄との付き合いかたをみていきたいと思います。

■新興企業の銘柄こそ株式投資の醍醐味

 今、皆さんのポートフォーリオには新興企業の銘柄は入っているでしょうか。少し前までは個人投資家に大人気だった新興企業の銘柄ですが、2006年1月のライブドア・ショックを機に、1部の大型銘柄に乗り換えたり、円安進行の相場も手伝ってFX(外国為替証拠金取引)に投資対象を移す人もいるようです。

 でも、私は依然として中身のある新興企業の銘柄たちの未来が楽しみでなりません。 

 もちろん、すべての銘柄が期待できるとは思いません。見抜くべきは、5年後10年後、市場規模が拡大する事業であるかどうか、そして、その業界をリードする企業となる可能性があるかどうかです。

 新興企業の銘柄は年齢で例えると、上場以前の黎明期を20代とすれば、今は30代半ばの企業が多いのではないでしょうか。

 これは私の個人的な印象ですが、自分の考えを実践できる立場について、バリバリと仕事をしているのは40代の方が多いように思います。実績や経験、体力?などが一番バランスの取れた時期なのかもしれません。企業が最も大きく成長するのも、そんな脂がのった時期なのです。確かに、大企業のなかにも新事業開発部門など、時代の変化やニーズに合わせた商品やサービスの開発を手掛るところはたくさんあります。老舗の変革といえるそのような努力もとても魅力的だと思います。ただ、進捗スピードや株価への影響を新興企業の銘柄と比べると、小回りの効く新興企業に対し、大所帯の大企業には決断の遅れや主力事業の業績に左右されやすい側面があります。(なかには単独上場を果たすケースもありますが)

 現在の新興企業の銘柄には、潜在的な需要を考えると、売られすぎと思える銘柄が少なくありません。60代以上で、“業界にその人あり”と言われる重鎮のような老舗大型銘柄や他の金融商品とのバランスを考慮しながら、手さぐりの舵取りを見守っていく。そんなスタンスで新興企業の銘柄を保有することは株式投資の醍醐味そのものだと思います。   

 但し、気をつけたいのが買い時です。急騰した後、底値が未だつかめない状態の銘柄や、外国人持株比率が高く、期待も大きいけれど、相場動向によってはまとまった売りもでやすい銘柄などは特に神経を使います。また、新興企業の銘柄に限ったことではありませんが、見込み違いがわかった場合は損切りが必須です。

 一方で、売られすぎていた場合のナンピン買いが効果的なのも新興企業の銘柄の特徴です。

 具体的には、新興企業の銘柄向けに資金を設けて、その範囲で数社に分散し、例えば5社に1社程度が、未来の老舗銘柄に向け手ごたえを感じながら、順調に航海をしてくれれば成功と考えてよいのかもしれません。自分でつくった新興企業の銘柄パックのうち、トヨタやホンダ、松下やソニーのような銘柄が1つでもあれば、資産に育つのですから。

今回のポイント

1.新興企業の銘柄は、“良くも悪くも手さぐり”の状況にある!
2.新興企業の銘柄への投資は、5社のうち1社でも有力企業を見抜けば、資産を築けることが最大の魅力!

 野尻美江子

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Vol.82 新興企業の銘柄は荒くなって当然?!

 今回は、新興企業の銘柄について考えていきましょう。

■新興企業の銘柄の素顔

 皆さんは新興企業の銘柄についてどんな印象を持っていますか?

「ツボにはまると急騰する」「大型銘柄にはない大きな成長が期待できる」一方で、「トレンドが崩れると回復が難しい」「悪材料はおろか想定の範囲内の決算発表をすると大きく売られる」などといった意見が多いのではないでしょうか。

 つまり新興企業の銘柄には、
『値動きが荒く』、『みんなの期待がとても大きい』という特徴
があります。

 それでは次に、新興企業の銘柄とは、企業としてどのような段階にあるのでしょうか?

 時価総額が大きく日本を代表する大型企業には、たいてい複数の収益柱が存在します。一方、新興企業の銘柄には、時代の流れをうまく捉えて急成長した1本の太い柱が屋台骨であるところが少なくありません。時には大型企業もうらやむような太い柱である場合もありますが、長期的な企業経営を考えるとリスク集中の体制には不安を感じざるを得ません

 例えとしては、あまり相応しくないかもしれませんが、何らかの得意分野に特化したビジネスモデルのリスクとして思い出されるものに狂牛病の一件があります。今から6年程前、日本で狂牛病の危険性がクローズアップされました。私が住んでいる街でも、そのことが原因としか思えない時期に焼肉屋さんが潰れてしまいました。もちろん、そのツライ時期を生き抜き、個人消費も徐々に回復してきた昨今、大繁盛の焼肉屋さんはあるので、ダメージはあるものの、特化ビジネスが絶対にダメということではなく、それをカバーできる優位性や特徴があればやっていけるのでしょう。

 ただ、企業が大所帯になればなるほど、特化ビジネスというビジネスモデルには景気・為替動向・消費者の心変わりなどを踏まえると、大きなリスクが付きまといます。

 あなたが世の中に受け入れられる何らかのヒット商品・サービスを事業化して、上場まで漕ぎ着けた企業の経営者だったら、その先の経営の舵取りをどのようにしていこうと考えますか。

 ひたすら得意とする商品だけを大切にするでしょうか。それとも、商品は1つでも海外進出を考えるでしょうか。あるいは、製造工程などから応用できる技術を利用して新商品の開発を開始するでしょうか。ヒットを実現した嗅覚を活かしてまったく別のビジネスを構築するでしょうか・・・。

 とにかく、新興企業は“良くも悪くも手さぐり”なのです。

 次回は、そんな新興企業の銘柄との付き合い方をみていきたいと思います。

知っておきたい一冊
グーグル革命の衝撃グーグル革命の衝撃

作者: NHK取材班
出版社/メーカー:日本放送出版協会
価格: ¥ 1,050 (税込)

今年1月に放送された「NHKスペシャルグーグル革命の衝撃」の取材スタッフが放送で伝えきれなかった部分を踏まえ書籍化したものです。

瞬時に、とりあえずの答えを出してくれる「検索システム」。タダで便利だから世界中に急速に浸透している現実。でも、利用者は自身が果たしている役割を認識しているのか・・・。検索ビジネスで圧倒的シェアを誇るグーグルを舞台に、“検索”がもたらす功罪を考えていきます。“検索システムを利用しても、検索ビジネスに利用(誘導)されない価値観”の重要性が改めて認識できる一冊です。

 野尻美江子

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Vol.81 株が急落時の含み損をどうする?!

VOL.80では、突発的要因で株価が急落した場合の含み損を避けることは非常に難しく、そのような相場局面では、含み損はあって当たり前?!だということをみてきました。とはいえ、含み損を抱えたままでは困ります。そこで今回は、急落でできた含み損をどうしていくかを考えていきましょう。

■急落でできた含み損に立ち向かう!

 まず最初にやるべきことは、

 相場急落の原因を調べ、その影響度を見極めること。

 そして、

 保有銘柄の現状と急落後のマーケットの様子を幅広くかつ素早くウォッチしてみましょう。

 保有銘柄が受けた急落の影響を、チャートや信用の取組みなどからチェックしていきます。同時に、一時的な下げと判断した場合忘れてはいけないのが、相場全体が急落して保有銘柄の株価が下がったということは、保有銘柄以外の銘柄も下げていて、必要以上に売り込まれている銘柄が存在する可能性が高いということ。日頃、リサーチしている銘柄のなかで、株価水準がネックとなって投資できないでいたものや、大きく売り込まれたセクターの成長性を冷静かつ素早く調べていきましょう。その結果、保有銘柄は十分回復する要素を持っているとなれば、下落を受け止めて、そのまま保有する選択になるでしょう。一方、急落後の状態が、保有銘柄よりも良好で、早めの回復が期待できるものがあれば、含み損を実損に確定してでも乗り換える価値がある場合もあります。また、VOL.6566でもみてきたように、銘柄入れ替えのチャンスにもなります。

 影響が限定的な急落時の乗り換えは、バーゲンセールと同じで早い者勝ちです。たちどころに挽回というのは難しくても、含み損の一部を、必要以上に売り込まれた銘柄の戻りで埋めていく対策です。このとき日頃から、いざというとき参戦できる資金として少額でもMRFなどにプールしておくと、素早く行動でき、実損を確定せずに済む場合もあります。近年は、単元株でも10万円程度から投資できる銘柄も増えていますし、急落をきっかけに一定額のプールを検討してみるといいと思います。仮に30万円だとしても、10万円程度の銘柄なら3単元買うことができます。少額でも含み益がでてくると、保有銘柄全体の戻りを待つ活力になりますから。

 ただし、これらは急落の影響が限定的な場合の対策になります。相場全体が不透明なときは、その影響も大きくなりやすく、かつ、見極めが非常に難しいものです。のちのち、歴史的な転換点となるような局面では、一定の影響を受けるのは避けられないかもしれません。どんなに調べても不透明さが払拭できない場合には大きな決断が必要になってきます。投資履歴や成績にも寄りますが、個々の事情による最終的な目安としては、株式市場に投資している自己資金=元本を割り込まない範囲ということになるでしょう。つまり、株式市場でつくった利益がなくなって振り出しに戻った段階です。(厳密には税金や健康保険料などを考慮する必要あり)「休むも相場」というように、激流に逆らっても明らかに不利です。不透明な情勢が払拭されるまでは静観する、銘柄はいつでも買い戻せるという気持ちを忘れないことも大切です。ただし、市場全体の方向性からみて、今の日本株市場に、相場が急落するような歴史的転換点が直ちに訪れるとは考えにくいと言わざるを得ないでしょう。1部の大型銘柄・新興市場の有望銘柄・TOPIX連動のETFなど、戻りのスピードは違っても、上昇相場のトレンドの中で、中身を調べぬいた投資ができていれば、含み損はやがて解消できるはずです。注意したいのは、相場全体のトレンドの見極めとともに、焦るあまり自分の抱えられるリスク許容度を逸脱した投資を行ってしまうことです。状況を精査しながら、“焦らずゆっくり”も立派な含み損対策だと思います。

今回のポイント

1.すべての個人投資家に、最大効率を求める運用が必要なのかということ。
2.含み損には、相場全体のトレンドを見極めつつ、冷静さを持って立ち向かおう!

 野尻美江子

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Vol.80 株の含み損はあって当たり前?!

 今回は、含み損を抱えるきっかけになりやすい、株式市場における突発要因による急落から、個人投資家が運用に求めることを考えていきたいと思います。

■個人投資家にとっての最大効率

 株式市場には、突発的な要因による急落がたびたび起こります。もちろん、回避できれば良いのですが、地政学的なもの、海外市場を起因とする連鎖的なものなど、正確に予想するのは極めて難しい局面があります。クラッシュが起こってみると、現在も紛争地域が存在する現実や過剰流動性相場が創り出す高騰ぶりなど、急落が納得できる要素はあっても、それを意識して、事前にポジションを下げておくことは難しいものです。

 機動的に動いたとしても、「3連休が控えているから」とか、「決算対策の売りが出始める頃だから」といったカレンダー的な動きを考慮してポジション調整することなどが現実的なところかもしれません。

 本来なら、株式市場に突発的な急落がある以上、資金効率を高めて、大きな含み損を抱えることを避けるためには、個別銘柄の中身に関わらず、売買を決断するケースがあることに神経を使う必要がありそうです。

 過去のパターンや世界指標などのデータを細かくチェックして、急落のリスクがみられる場合には、素早くポジション修正を実行することが求められます

 でも、最初に“本来なら”といったのは、仕事はもちろんのこと、現在は引退している方でも食事の支度や身の回りのことなど、人間として凛とした、まっとうな生活をしようと思ったら、一人でそのすべてをカバーするのは絶対と断言していいくらい無理なことです。日本のマーケットが開いている間中、画面に張り付いていることだって、現実にはなかなかできることではありません。

 不本意なかたちで含み損を抱えるたびに、「四六時中画面をみていられる時間があればこんなことにはならないのに・・・。」と思うこともあるでしょう。

 急落の原因にも寄りますが、たぶん、それはその通りで、株価動向をライブでみて動けていれば、含み損はもう少し小額の実損に落ち着いていたかもしれません。逆に、急落原因の影響が限定的なら、引け間際などから買いが入ることもめずらしくないわけで、動かなかった(動けなかった)ことが功を奏す場合ももちろんあります。

 でも、いずれにしても、その日の結果ではなく、大きく引いて、人生として運用を考えたとき、四六時中パソコンの画面をみていられる自分の生き方が好きですか?

 もちろん、自身のお金を直接金融の株式市場に投資している以上、“野放し”にしてはいけません。でも、すべての個人投資家に最大効率を求める運用が必要なのかというと、私は決してそうは思いません。そう考えると、相場の局面によっては、含み損はあって当たり前なのです。次回は、その含み損をどうしていくかについて考えていきたいと思います。

知っておきたい一冊
新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか

作者: 武者 陵司
出版社/メーカー:東洋経済新報社
価格: ¥ 1,995 (税込)

かつて、悲観論の象徴的存在であった著者の武者陵司氏。2005年12月のレポートから、一転、強気に転じ話題になりました。本書では、アメリカのとった安易な政策(弥縫策)がなぜ成果を挙げたのかなど、これまでの経済常識が通用しない現実を検証し、今、世界で起こっている大きな変化を捉えていきます。著名CIOがスタンスを180度転換した根拠がぎっしり詰まった1冊です。

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Vol.79 新聞をヒントにした投資の失敗?

 今回も、株式投資で失敗と受取られがちなことについてみていきたいと思います。

■その投資に何を期待するのか

 私たちの日常には、能動的になりさえすれば、情報が途切れることはありません。今回は、多数ある情報ツールのうち、新聞についてみていきましょう。

 例えば、新聞の見出しに、「5期連続で増収増益を達成」というA銘柄と、「増産に向け新工場建設へ」というB銘柄があったとします。どちらも企業の好調ぶりを伝えていますが、株価への影響度がより大きいのはどちらでしょうか?

 株式投資に絶対はないので、正確には、傾向が強いのはどちらでしょうか?とするべきかもしれませんが、一般的にみて、A銘柄の見出しは、5期前から前期までの業績が順調に伸びた過去のことを伝えています。もちろん、その分会社の体力は増強されていて、今期以降の伸びも期待できるかもしれません。でも、それを判断するには通期の見通しや今期の生産計画などを確認する必要があります。

 一方、B銘柄の見出しは、ある程度そのセクターをリサーチしておくことによって、商品の売れ行きが絶好調で、かつ継続的な需要が見込めると会社が判断した結果だと読み取ることができます。突然ですが、ここで昨年の夏の甲子園を思い出してみてください。

 今も人気の“ハンカチ王子”が誕生した年ですよね。その直後は、そのハンカチがどこのメーカーのものか話題になりました。でも、そのハンカチが広く世の中に出回ることはありませんでした。メーカーが増産を決断しなかったからです。今から増産しても、実際に店頭に並ぶ頃には、寒くなっているし、ハンカチ王子の人気はさておき、“そのハンカチが欲しい”というニーズは沈静化しているのではないかという冷静な判断がメーカーにあったためです。きっと、その判断は正しかったのでしょう。

 つまり、会社が増産体制を決断するのは、事業規模にもよりますが、根拠を持った裏づけとともに、経営者としての勇気がいることなのです。その判断こそが経営手腕であり、有能な経営者が増産を決めたということは、継続的な需要が見込める要素があるとみることができます。
 
『新聞からは、誰でもわかる直接的な内容よりも、小さな記事だけれど、つなぎ合わせればその企業の底堅さが確認できるような有益なヒントをピックアップしてみましょう。』

 というのも、株価に与える影響として、直接的なものは比較的息が短く、底堅さの積み重ねは水準訂正に繋がるような息の長い情報になることが多いからです。

 新聞記事をヒントにしての投資が、突発的な材料に注目した短期なのか、中・長期的に期待した投資なのかによって、失敗かどうかがわかります。よって、底堅さを確認しながら、継続的な業績への寄与を期待した中・長期投資なら、現時点での一定の含み損を失敗とはいえないのではないでしょうか。

 新聞記事をヒントにした投資を失敗に終わらせないポイントは、“その記事の影響度を見極める”ことにあるわけです。

今回のポイント

1.一見、損切りという失敗にみえても、
  資金効率を高めるための積極的な挑戦の場合もある!
2.新聞記事などで影響度を見極めながらの中・長期投資なら、
  現時点で一定の含み損があっても失敗とはいえない!

 野尻美江子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ

 




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