Vol.59 海外ETFの魅力について
今回は、コストが安く、流動性にも優れている、海外ETFについてみていきたいと思います。
そもそも“ETF”という金融商品の最大の魅力は、VOL.30などでもみてきたように、“銘柄選定の時間をかけずに市場平均を買える”ところにあります。これまでお話してきたETFは、日経平均株価やTOPIXなどに連動する東証あるいは大証に上場する日本株ETFをイメージしてきたわけですが、海外ETFにおいても、国内証券で取引する場合、信用取引が原則不可など、日本株ETFとの違いはあるものの、“市場平均を買う”ということに変わりありません。
“市場平均を買う”ことは、日本株ETFでも手間がかからないという大きなメリットがあるわけですが、ある特定の企業を選定し、その企業をずっとリサーチしていくことが日本株以上に難しい海外株式の場合、その効果は一層高まるといえるでしょう。
例えば、ダウ工業株30種平均株価やナスダック100に連動するタイプの海外ETFなら、日本のニュースでも伝えられる身近な情報源がありつつ、通常(市場に上場されていない)の投資信託に比べて信託報酬が安いので、手数料を抑えつつ、機動的に、米国株への投資が可能になるわけです。
つまり、商品性からみて、海外株式への投資にETFを活用することは、理に適っているのです!
最も便利なのは、やはり国内の、それも現在自分がメインに取引している証券会社で購入できることだと思います。ただ、残念ながらすべての証券会社で購入できるわけではなく、今のところ海外ETFを取引できる国内証券は、野村證券・大和証券・日興コーディアル証券・楽天証券・ユナイテッドワールド証券などとなっています。店頭取引のみですが、最も取り扱い銘柄が多いのは野村證券で13銘柄(07年2月現在)を取り扱っています。手軽さをモットーにETFに注目したのなら、国内証券で購入できるETFの中で、スタンスに合うものを、取引形態や外国証券口座に掛かる管理手数料などを含めたトータルコストを踏まえて検討してみることになるでしょう。
一方、国内証券で取り扱いのない銘柄を取引する場合には、海外の証券会社に口座を開くことが必要になってきます。現状における海外ETFには、日本株ETFに比べ、取引に難があるのは事実ですが、そんななか朗報もあります。大証(大阪証券取引所)は、07年1月のプレスリリースで、07年3月に、中国やインド等の外国株価指数連動タイプと金価格や金利等の指標に連動するタイプのETFの上場を予定していることを発表しており、海外の流れ同様に、日本でもETFのグローバル化が期待されるところです。次回は、海外ETFは今の自分に必要かという視点で考えていきたいと思います。
野尻美江子
共通テーマ:マネー
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 株とETF (2012-01-10 09:39)